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●「李儒的異聞・烙・」 1


 

 

・序・

今迄の人生を振り返るならば、酷く平坦。
李儒は、平穏な余りに己の存在意義すら忘れてしまいそうだと感じていた。

恐らく他人から見れば、理想であり羨望の眼差しさえ受けそうなその人生に、
しかしながら李儒が抱いた思いは、絶望。

「……何と下らない人生か」

このまま、毎日を変わらず過ごし、何もせずのうのうと朽ちて行くのだろうか。

自分でも明瞭に解るほどの知恵や知識、泉のように湧き上がる様々な秀でた思考は、
しかしながら現在の役職においては、無意味なものでしかない。

言うなれば、血液が巡っているだけの傀儡。
死ぬように生きているのならば、いっそ生きる事を止めてしまっても良いのではないか。

李儒がそう考えていた矢先の事だった。

彼は、自分の運命を大きく変える人物に出逢うこととなる。

絶対的な存在感。
それは、身体の大きさだけではなく、纏う空気そのものが何処か違う。

傀儡だった、死ぬように生きていた李儒に、
二度目の生を与えた暴君。

その名を、董卓といった。

 

つづく

 
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