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★ コラム6.素直な武将たち
 

 この荒んだ現代社会では、素直な人間というのはとても貴重であり珍しい。素直で純真な人物は、愛される。だが、悲しいかなこの世の中は、全てを素直に受け入れることが常に正解であるほど清らかではないのだ。乱世は、まだ続いてるのである。そして三国時代にも、やはり素直すぎて命を落とした悲劇の武将たちがいるのだ……。

 そう、魏の軍師荀ケは、とても素直だった。そして彼は、ある日曹操から送られて来た器の中身が空っぽだったことで、「自分はもう用無しということか」と悟り自ら命を絶ってしまったのだ。
しかし、オレは思う。なぜ荀ケ、そこまで疑うことなく素直に物事を受け止めてしまったのか。もしかしたら、器を運んで来た使者があまりの長い行程で疲れ果て、辛抱たまらず途中で中身を食べてしまったのかもしれないじゃないか! もしくは、次の日くらいに曹操が「あ、ごめん荀ケ! ちょっと忙しくて、中身入れるように言うの忘れちゃった! わりいわりい(爆)!」と頭を掻きながら訪ねて来ないとも限らないではないかっ!! 本当にただうっかり忘れただけかもしれないのに、そんなことは露ほども疑わず自分の命を絶つなんて、これこそ素直さが生んだ悲劇と言えるのではないだろうか!!

 そう……、蜀を裏切った魏延もまた、とても素直だった。彼は孔明の死後すぐに謀反を起こすのだが、部下の馬岱を従えて漢中に攻め込んだところで蜀の楊儀にこう言われる。
「魏延! もし皆の前で『おれを殺す者があるか』と3度叫ぶことができたらこの城を明け渡してやろう。だがいくらおまえでもそれほどの勇気はあるまい!」
 そして、ここで魏延は素直に「そのぐらい簡単だ! おれを殺す者があるか!」と叫んでしまうのだが、実はこれは亡き孔明が残した謀略であり、その直後背後にいた馬岱に「(おまえを殺す者は)ここにいるぞ!」と言われ斬られてしまうのである。
 しかし、オレは思う。なぜ魏延、そこまで疑うことなく素直に楊儀の言葉を受け止めてしまったのか。もし魏延がそこまでピュアな人間ではなく、ごく一般的な感覚を持っていたとしたら、実際には次のような会話が繰り広げられたのではないだろうか?

魏延「おい楊儀! 漢中をオレに渡せ!!」

楊儀「よく聞け魏延。では、もし『おれを殺す者があるか』と3度叫ぶことができたら明け渡して
     やろう。だがいくらおまえでもそれほどの勇気はあるまい」

魏延「うるせえテメエっ!! 早く漢中を差し出せオラっ!!」

楊儀「いや、だから、『おれを殺す者があるか』と3度叫ぶことができたら城を明け渡してやろう」

魏延「くだらねーこと言ってるんじゃねーテメー!! 遊んでるんじゃねーんだぞ!!」

楊儀「いや、そういうことじゃなくてですね、とにかく3回叫んでくれればいいんですよ。それだけで
     漢中が手に入るんですよ? いいでしょうそのくらい」

魏延「貴様は男と男の戦場を何だと思ってるんだっっ!!! おまえだって丞相の下で今まで誇
     りを持って戦っきた人間だろうがっ!! ゴタゴタ言ってないで将として潔く戦えっっ!!
     行くぞっ!!!」

楊儀「ひえ〜〜〜っ(号泣)!!」


 …………。

 このように楊儀の言うことなんて聞かなければ漢中が手に入っていたかもしれないのに、露ほども疑わず言う通り叫んで斬られてしまうなんて、これこそ素直さが生んだ悲劇と言えるのではないだろうか!!
 やはり素直に生きるのは、今も昔も損が多いのである。誰も信じるな!! 周りは全て君の敵だ!!!

 


素直さに定評のある魏延さん(右は特別ゲスト黄忠さん):漢中・勉県武侯祠にて

文&撮影:さくら剛

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